PROJECT プロジェクトなどの活動に興味のある方
ユース提案型湿地の未来プロジェクト第4回ワクワクフィールドツアー第2弾

【活動レポート】
「ユース提案型 湿地の未来プロジェクト」第4回が開催されました!
このプロジェクトは、名古屋市が藤前干潟を中心とした湿地保全の取組みを評価され「ラムサール条約湿地都市」として認証されたことと、なごや環境大学が20周年を迎え、その先に向けた活動を始めるためにスタートしました。若者(ユース)ならではの柔軟な発想で湿地の未来を考え、2026年には実際に社会実験を行うことを目指す、実践的なプログラムです。
第4回は、「ワクワクフィールドツアーの第2弾」として名古屋市の丘陵部の湿地や都心部に残る貴重な湿地を巡りました。
【まずは、バスの中で生物多様性に関する知識をインプット】
最初の目的地に向かうバスの中では、ミニレクチャータイム! 「30by30」*や「OECM(自然共生サイト)」**といった最新のキーワードや、名古屋市環境局から提供いただいた資料を基に、名古屋での生物多様性の取組みについてみんなで学びました。ちなみに、今回訪れた場所はすべて「自然共生サイト」に認定・登録されている、今まさに注目されている場所です!


*30by30(画像参照) **OECM(画像参照)
【貴重な植物の宝庫!八竜湿地】
最初の目的地は「八竜湿地」。ここでは「水源の森と八竜湿地を守る会」の田京会長をはじめ、会の皆さんに温かく迎えていただきました。まずは学習広場で、八竜湿地がどのようにしてできたのか(湧水湿地の仕組み)の概要や、環境事業所建設予定地から守られた保全の歴史についてレクチャーを受けました。


そして、いよいよ普段は入ることのでない湿地の中へ!綺麗に整備された木道の上から、シラタマホシクサやクロミノニシゴリなど、「東海丘陵要素植物」と呼ばれる、世界でもこの東海地方にしか生息していない、本当に貴重な植物たちを見せていただきました。名古屋市とは思えないその景色に感動し、あっという間に時間が過ぎてしまいました。ただ、今年は例年よりも水が少なく、植物の生育状況が芳しくないという課題も。水を確保するために、周りの樹林地で伐採を行っている現場も見学し、湿地を守り続けることの大変さと工夫を肌で感じました。

【自分達も湿地を再生するために保全活動!なごや東山の森】
お昼休憩をはさんで、午後は「なごや東山の森」へ。ここは「なごや東山森づくりの会」代表の瀧川さんはじめ、会のみなさんが案内してくださいました。街中に残されたこの森は、なんと当時オリンピックのスタジアム建設候補地になるところを、反対運動によって守られたという歴史があります。八竜湿地が「今ある湿地を守る」活動がメインだったのに対し、東山の森は「元々あった湿地を“再生”する」活動がメイン。瀧川さんと一緒に森を歩いて当時の様子を教えていただき、森を歩いて感じたことを話し合いました。


その後、林内にある「ハンノキ湿地」を見て、水位が少ないことなどの課題を自分たちの目で見ました。これらの湿地を再生するためには、まず森を適切に管理し、豊かな水が染み出す環境を取り戻すことが必要だそうです。ということで、私たちも集水域での竹の伐採を体験させてもらえました!竹1本を伐るにも本当に大変で、みんなで力を合わせて頑張りました。会のみなさんに指導してもらいましたが、手つきが慣れており、かっこよかったです。私たちの活動で、少しでも水の蒸散を防ぎ、湿地への水が保たれることを願っています。


【都会のど真ん中に田んぼ?!「株式会社三五」】
最後に訪れたのは、「株式会社三五」という企業です!案内してくださったのは、ESG推進室室長の浅田さん。


株式会社三五は、マフラーなどの自動車部品を製造する、愛知県を代表する企業です。事業活動の中でも基本理念に「ひとづくり・ものづくり・環境づくり」を掲げ、「環境の三五」として自然共生活動にも力を入れています。なんと熱田区に「ECO35(エコサンゴ)」と呼ばれる広大なビオトープを持っています!まずは株式会社三五の環境への取組みについてお話を聞き、その後ビオトープを見学。当時の先々代社長の環境を大切にする想いが長年かけて実を結び、多くの野鳥も訪れる都会のオアシスになっています。森も熱田神宮の樹種と同じような植生にして、社員やその家族など、多くの人が協力してみんなで作り上げた森です。参加者からは、「都会の真ん中に田んぼや湿地、森があるなんて!」「これが人工的に作られたものとは思えないほど素晴らしい…」と、驚きと感動の声が上がっていました。

さらに、ヘイケボタルの繁殖にも力を入れており、貴重な飼育施設まで見学させていただきました。企業の皆さんが本気で環境保全に取り組む姿に、参加者一同、深く感動していました。
【まとめ】
今回のツアーを終えて、参加者からはこんな感想が聞かれました。
・名古屋市内にも、藤前干潟以外にこんなに素敵な湿地があることを知れてよかった。そこで活動している方々の「想い」に触れられたのが嬉しかった。
・「湿地」といっても、干潟、湧水湿地、再生した湿地、企業が作った湿地など、本当に多様な形があること、そして保全の仕方も多様であることを学んだ。
八竜湿地から流れる水も「藤前干潟」と繋がっていること。また、ごみ処分場の候補地となった藤前干潟と、今回訪れた八竜湿地や東山の森は、いずれも当時同じような開発の危機から守られたという共通点に気づくことができました。みんなで協力してごみを分別し、藤前干潟を守ったことと、ECO35のみんなで協力して作り上げたビオトープでの取り組みにも共通している部分があることにも気づきました。
場所や方法は違っても、みんな「湿地を守る仲間」だと強く認識できた、素晴らしいフィールドツアーとなりました!案内してくださった八竜湿地、東山の森、株式会社三五の皆さん、本当にありがとうございました!
プロジェクトはまだまだ続きます!
【過去の会はこちら】