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【開催報告】「2026前期 ⼭の社会⾒学 第2回 広葉樹」を実施しました!

(報告)  ユースサポーター 愛知淑徳大学 田中千尋

{集合写真}

{鍋敷き写真}

2026年6月21日(日)に「2026年前期 山の社会見学 第2回」を実施しました。 今回のテーマは「広葉樹」です。森の散策で広葉樹の多様な生態を学び、午後からはその知識を活かして3種類の異なる広葉樹から「鍋敷き」を制作する講座です。

開催場所は、前回に引き続き岐阜県美濃加茂市の「みのかも健康の森」。当日は天候にも恵まれ、幅広い世代の皆様にご参加いただきました。

今回は、A班は午前に散策。B班は午前に鍋敷き工作です。まずは、森の散策をレポートします。

{双眼鏡の写真}

散策は、準備体操をしたら、双眼鏡の使い方からスタート。幅の調節をし、左目、次に両目でピントを合わせるレクチャーを受けると、遠くの景色がクリアに見えるようになり、参加者の皆さんから歓声が上がりました。 準備が整ったところで、緑いっぱいの森の観察開始です。

葉っぱの見分け方の資料や樹木図鑑を片手に歩みを進めると、普段は何気なく見ている木々の一本一本に、驚くような生存戦略や暮らしとの繋がりがあることが分かってきました。

散策の道中では、講師の解説とともに、以下のような面白い発見に多く出会いました。

{もみじの写真}

落葉樹と常緑樹のサバイバル戦略

高山に落葉樹(葉が薄くペラペラ)が多く自生するのは、冬の重い雪に耐えるためにあえて葉を落とすためであること、逆に常緑樹(葉が厚く色が濃い)は一年中葉をつけ、不要な葉だけを落とすという違いを学びました。紅葉するもののほとんどが落葉樹ですが、公園などに植えられている年中赤いものは園芸種であるといった身近な雑学にも納得の声が上がりました。

{アラカシの写真}

見分け方の実践

写真出典:森づくりの技術、樹木図鑑

「モミジ(落葉樹・対生)」は葉全体がギザギザ(鋸歯縁)ですが、「アラカシ(常緑樹・互生)」は葉の半分だけがギザギザしているなど、細かい違いに注目!

{クスノキの写真}

裏面に大きな3本の葉脈(三行脈)があり縁が半透明な「クスノキ」では、スッとする樟脳(しょうのう)の清涼感ある香りと高い防虫・消臭効果を観察。「足元に小枝がたくさん落ちていたら、周りにクスノキがあるサイン」という見つけ方も教わりました。

{フジの写真}

自立せず他の木に巻き付いて伸びる「フジ(つる性)」の観察では、冬芽ごとにひとかたまりを1枚と数える「奇数羽状複葉」の仕組みを学習しました。

長いツルを引っ張ると上から大量の虫が落ちてくることもあるのだとか。「幼いころに大量に虫が落ちてきてしばらくツル棚の下には入らなかった」という講師のエピソードも聞きました。

{リョウブの写真}

また、シカの大好物で、人間も天ぷらなどで食べられる「リョウブ」は、上の葉と重ならず太陽光が効率よく当たるように、枝がねじれて生えている不思議な特徴を観察しました。

歴史との繋がり

お城に松が植えられている理由

食べられる植物のつながりで、多くのお城に松が植えられている理由についても学びました。実は「非常食」として備えるためで、松の実や皮など、非常に栄養価が高いという歴史の知恵に驚かされました。

{アジサイの写真}

アジサイの観察と科学

道中では、森の中に咲くとても綺麗なアジサイが参加者の目を楽しませました。みんなでその美しさを堪能しながら、アジサイの葉が上から見ると2枚ずつ交互(対生)に生えている構造を観察しました。

{アジサイの対生}

また、土壌の酸度による色の変化(酸性=青・紫、アルカリ性=ピンク・赤)を学び、園内の赤系のアジサイの違いや、炭を混ぜて土壌をアルカリ性にする園芸の工夫に感心させられました。

{アジサイの写真}

{エゴノキの写真}

暮らしや伝統文化との繋がり

実に含まれるサポニン成分をすり潰して水に混ぜると泡立つ「エゴノキ」では、現在では禁止されている。魚毒漁の歴史を学ぶとともに、岐阜の伝統工芸である和傘の「轆轤(ろくろ)」の材料に使われていることを教わりました。職人さんへ「エゴノキ」を届ける「エゴノキプロジェクト」の存在を知り、環境保全と伝統継承の結びつきを深く実感しました。

{木材を選ぶ様子}

午後からは、異なる3種類の広葉樹の木材を削って「鍋敷きづくり」に挑戦しました。 ここで輝いたのが、午前の散策で培った「木々の特徴を見分ける目」です。

 ただ用意された材料を使うのではなく、「真っ直ぐで加工しやすい枝」を選んだり、午前中に学んだ「リョウブ」のように「硬くねじれる特徴のあるおもしろい木」をあえて選んでみたりと、自分が作りたい鍋敷きのイメージに合わせて、材料の特性を見極めた確かな材料選びができるようになっていました。

{工作の様子の写真}

{工作完成の写真}

また、みのかも健康の森にある食堂で「1000円以上の購入であじさいの苗をプレゼント」というお楽しみ企画も行われており、何人かの参加者が嬉しそうにあじさいの苗を持ち帰りました。散策で学んだ「土の性質による色の変化」を思い出しながら、自宅ではどんな色のあじさいが咲くのか、今からとても楽しみですね。

今回の山の社会見学では、広葉樹の多様な生態や、人と自然の関わりの面白さを体感できたのではないでしょうか。

最後は全員集合して記念撮影!

{集合写真}

筆者自身も、この講座をきっかけに、公園や外出先で木々の種類や特徴に目を向けるようになり、何気ない日常の風景にも新たな発見があることを実感しています。

皆さんもぜひ、身近な木々に目を向けて、新しい発見を楽しんでみてください。

これでみんなも森林博士!