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2025秋冬 SDGsオンラインセミナー 未来を変えるSDGs:さあ、あなたも 「誰一人取り残さない」社会へ第4回

2025秋冬 SDGsオンラインセミナー 未来を変えるSDGs:さあ、あなたも 「誰一人取り残さない」社会への第4回は、NPO法人外国人ヘルプライン東海の代表の後藤美樹さんによる、困りごと」から社会を変えていく:外国人ヘルプライン東海の試みと題してご講演をいただきました。

本セミナーでは、多様な視点からSDGs達成を推進する企業・団体の皆様をお招きし、その取り組みについてお話を伺いました。
第1回:いつもの一杯が、未来を創る。利用するだけで社会貢献できるサステナブルなカフェ
(講師:一般社団法人 日本福祉協議機構 代表理事 濵野 剣 氏)
(講師:一般社団法人 日本福祉協議機構 UNIBO サービスマネージャー 瀧本 大晃氏)
第2回:いつまでも愛されるサステナブルな一丁。誰ひとり取り残さない社会の実現へ。
(講師:株式会社おとうふ工房いしかわ 社長室室長 石川 麻利江 氏)
第3回:食品業界のマスト・ブランドへ。サステナビリティ経営を推進。
(講師:名城食品株式会社 代表取締役社長 杉本 隆行 氏)
第4回:「困りごと」から社会を変えていく:外国人ヘルプライン東海の試み
(講師:NPO法人外国人ヘルプライン東海 代表 後藤 美樹 氏)
各回を通して、多角的な視点から「誰一人取り残さない社会」へのヒントを共有する貴重な機会となりました。
全4回のプログラムのうち、最終回となる第4回は、NPO法人外国人ヘルプライン東海の代表・後藤美樹氏を講師にお迎えしました。「『困りごと』から社会を変えていく:外国人ヘルプライン東海の試み」と題したご講演では、まず名古屋市における外国人住民の現状について詳しく解説していただきました。

- 外国人住民の現状(名古屋市)
急増する住民数: 名古屋市の外国人住民は2024年に初めて10万人を突破しました 。
属性の変化: 技能実習生や留学生、若年層が増加しており、特にネパール、ミャンマー、インドネシア、ベトナムなどの出身者が増えています 。
労働環境: 製造業(約3割)やサービス業に従事する人が多く、背景には深刻な労働力不足があります 。





- 外国人が直面する「3つの壁」
支援が必要な状況でも適切なリソースにつながらない要因として、以下の3点が挙げられています:
言葉の壁: 専門用語がわからない、行政に通訳がいない、自分の状況を説明できない 。
制度の壁: 日本の複雑な制度(申請主義や縦割り行政)が本国の仕組みと異なり、理解が困難 。
心の壁: 在留資格への影響を恐れる不安や、「恥ずかしい」という心理的抵抗、支援側の無理解 。




- 外国人ヘルプライン東海の活動
「困りごとから社会を変えていく」を理念に、以下の支援を行っています :
支援方針: 生存権・言語権・滞在権の保障を掲げ、ボランティア性を尊重した支援を実施 。
具体的な活動: 多言語による相談受付、行政や病院への同行支援、通訳派遣、人材育成(通訳講座など) 。
目指す姿: 既存の社会資源へ「つなげる」、新しい仕組みを「つくる」、地域でつながる多文化共生社会を「つくりだす」こと 。

- 相談事例と課題
DV被害(永住者の配偶者): 言語の壁や在留資格への不安から加害者から逃れられないケース 。
労働トラブル(技術・人文知識・国際業務): 不適切なブローカーによる斡旋で住居や仕事を失うケース 。
生活困窮(留学生): 病気などで就労できなくなると、生活保護の対象外であるため容易に困窮するケース 。
結論として、定住化が進む一方で、留学生や労働者の増加に伴う在留資格の問題や福祉サービスの限界が浮き彫りになっており、地域全体でこれらを支える仕組みづくりが求められています 。
外国人ヘルプライン東海の活動を通じて見えてきたのは、困難の中にありながらも懸命に日本で生きようとする人々の姿と、それを支える対話の重要性です。
「困った」という叫びは、より良い社会を作るためのヒントに他なりません。私たちは、届きにくい声を拾い上げ、それを社会全体で共有すべき「共通の課題」へと変えていく架け橋でありたいと考えています。一つの相談解決が、次の誰かの安心に繋がり、やがて地域全体の包摂力を高めていく。この「困りごとから始まる変革」の輪を、これからも皆様と共に広げていければ幸いです。