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【実施報告】なごやSDGsスタディツアー2025 昭和土木株式会社 × 名古屋市立植田北小学校

  • レポート

2025年10月8日(水)、「なごやSDGsスタディツアー(第1弾)」を実施しました。

昨年度スタートした「なごやSDGsスタディツアー」は、名古屋市内でSDGsに取り組む企業と同じ区にある小学校が出会い、SDGs達成に向けての学びあいの場を創出する事業です。

小学生が企業を訪問し、社員からSDGsの取組について説明を受け、現場に触れることで、身近なSDGsに気づき、日々の暮らしの中で「何ができるか」「何をしようか」を考えあうことを目的としています。

2025年度第1弾となる今回は、名古屋市立植田北小学校の6年生63名が、天白区にある昭和土木株式会社を訪れました。

昭和土木株式会社

昭和土木株式会社は、建設業として主に道路などのインフラ整備を行っている会社です。
植田北小学校6年生は年間を通じてSDGsを学んでおり、企業の取り組みを現地で学ぶことで、その理解を深め、行動につなげるきっかけとなるよう本ツアーが企画されました。

迫力の重機体験!土場見学と乗車体験

最初に子どもたちは、「土場」と呼ばれる工事用の車両や資材が置かれた場所に集合しました。そこには土木工事で使用される機材や看板等が置かれており、現場の雰囲気が伝わってきます。

「みなさん、この重機をみたことあるかな?この車はなにをするためのものかな?」と昭和土木の河竹さんが問いかけると、子どもたちは「見たことある!」「道路を平らにするんだよ。だって大きなローラーがついているから」と元気よく答えていました。

その後、実際にホイールローダーとロードローラーへの乗車体験を行いました。 社員の方から車両の重さや運転の仕方について説明を受ける中、子どもたちは「こんなに座席が高いんだ!」「運転してみたいな」「ローラーって大きい!」と大はしゃぎ。仕事への興味関心が一気に高まりました。

昭和土木のSDGs ~道路に隠された工夫とリサイクル~

続いて本社ビルの3階に移動し、理事の兼岩さんと社員の鈴木さんによる授業が始まりました。

アスファルトの99%が再利用される

アスファルト舗装の専門家である鈴木さんからは、道路の補修工事について説明がありました。 道路は使い続けるとひび割れや凹凸ができたり、水たまりができやすくなったりします。事故を防ぎ、快適に移動できるようにするために補修工事が行われています。

驚くべきことに、補修工事で剥がされた古いアスファルトは回収・破砕され、99%が再び資源として利用されるそうです。昭和土木ではリサイクルプラントを持ち、廃材の再生資源化とその活用を積極的に進めています。

教室での講義風景 ▲ 教室での講義風景
クイズや説明の様子 ▲クイズや説明の様子

「水たまりができにくい道路」で事故が激減

授業では、実際のアスファルト混合材料(大きな石、小さな石、砂、固まったアスファルト)を見せていただきました。 これらを混ぜて高温(約140℃以上)で道路に敷き詰め、ローラーで押し固めることで道路ができあがります。

特に、ゴム(ポリマー)を混ぜ合わせたアスファルトは強度が高く、水たまりができにくい特長があります。これにより、交通事故が80%も減ったというデータも紹介され、子どもたちは真剣にメモを取っていました。

道路への気づき

授業の終わりに、兼岩理事が窓の外を指して話されました。
「道路をよく見ると、白い線、黄色い線、点字ブロックなど、いろいろな配慮がされています。みなさんが歩きやすいように、移動しやすいように工夫されていることを知ってください」

子どもたちからは「道路ってただの道じゃないんだ!」と驚きの声が上がり、普段何気なく歩いている道に込められた「人への思い」や「環境への配慮」を学ぶ時間となりました。

お楽しみ企画と学びの振り返り

授業の最後には「お楽しみ企画」として、クラス代表による「建設機械でラムネをゲット体験」が行われました。 小さなビニールプールに入ったラムネを、ラジコンの建設機械を操作してすくい上げるゲームです。

操作する子どもは真剣そのもの。「右、右!」「上、上!」「もう少し!」「よっしゃ!」と、周りの子どもたちからも熱い応援が飛び交いました。

ラジコン体験の様子 ▲ ラジコン操作に夢中になる子どもたち

ツアーを終えて

「道路とSDGs、昭和土木さんのSDGs、見つけたかな?」という問いかけに、子どもたちの学習シートにはびっしりとメモが書かれていました。 「見つけたよ、いくつもあった!」「11番(住み続けられるまちづくりを)、12番(つくる責任 つかう責任)...」と、次々にSDGsのゴールと結びつけていました。

SDGsの理念である「だれ一人取り残さない」。昭和土木の取り組みには、「だれもが快適に歩き、移動できるように」という強い思いが込められていました。 特別なことではなく、日々の暮らしの中にSDGsがあるという大切な気づきを得た一日となりました。

メッセージ

大鹿 聖公 氏
愛知教育大学 教授
地域連携センター長

現在の教育では、学校だけでなく地域や保護者と共に「持続可能な社会を生き抜く子ども」を育てることが求められています。

今回のツアーでは、子どもたちが実際に企業の現場を訪れ、社員の方の話や体験を通してSDGsを「自分事」として学ぶ姿が見られました。また企業の方々にとっても、自社の事業と社会貢献のつながりを再認識する機会になったと思います。

学校、地域、企業がそれぞれ「当事者」としての意識を持つことができるこの事業は大変重要です。今後、名古屋市全域でこのような連携が広がることを期待しています。