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【開催報告】なごやをささえる環境学第4回「環境まちづくり」を開催しました!!

  • レポート

2023年1月7日(土)10:30より 相模女子大学 大学院社会起業研究科、学芸学部 教授 であり、「なごや環境大学」実行委員委員でもある九里 徳泰(くのり のりやす)氏をお招きし、第4回SDGsセミナー「なごやをささえる環境学」を開催しました。
新年あけて間もない時期ではありましたが、多くの方がご参加してくださいました。

今回のテーマは「環境まちづくり」。
九里先生は富山市の政策参与でもあり、環境行政にも長らく関わっていらっしゃいます。そうした経験も踏まえつつ、名古屋市の環境基本計画について、私たちが市民としてどのようなスタンスで関わっていくといいかをわかりやすくお話しくださいました。

環境基本計画については、暮らしていく市民がいかに幸せに、快適に、そして今だけではなく未来に向けて考えていくことが重要であり、基本は市民目線なのだと。市民としてのまなざしを忘れず、環境基本計画に携わっていくことが大切であるとのことでした。

「パートナーシップがまちを支えている」名古屋市の環境基本計画については、その目指すところとして資料のPDFにある一枚のイラストを提示し説明してくださいました。

そのイラストでは、「パートナーシップがまちを支えている」という中で、「環境にやさしく・・・」と言葉が続きます。「環境にやさしい」という言葉はよく見聞きしますし、使ったりもします。先生によれば、「環境にやさしい」ということは、環境影響が低い、ほとんどないという状態を指すそうです。

環境まちづくりにおいては、行政は市民が無関心であっても、それなりにしっかりした施策を計画し実施してくれています。ただ、そこに市民が参加していないと健全とは言えないとご指摘してくださいました。
かつては、環境についての意識に無頓着であった時代があったそうです。例えば、道に植える街路樹や草花の選定について、外来種を植えてしまったり、市民自身も無頓着であったと。

だからこそ、最初は気持ちだけでいい、まず、関心をもとう、少し関わってみよう、自分なりの考えをもとうとする姿勢、「まなざし」が重要だということです。スモールステップでいいから行動に結び付けていくことが大切なのだと教えてくださいました。
みんなで支え合い、環境を保全した街づくりに携わっていく姿勢をもつことを忘れないでいたいですね。

また、なごや環境ハンドブックを用いて、生物多様性、気候変動、脱炭素、名古屋市の空、水、土についてもおさらいしてくださいました。

なごやに暮らす私たちは、「パートナーシップ」をキーワードに、活動の質をどう高め、また、継続して活動していくためにできることを考えていかなくてはなりません。

先生はここでも、まずは参加してみること。手伝えない時はしっかりとそのことについてのまなざしをもつこと。がすごく重要なのだと強調されていました。
さらに持続可能な教育、学びということを強く意識していくことも大切だと。

私たちが陥りやすい考えや行動の傾向について

人は普段の行動や考えを変えたくないという思いが働くことを知っておくことが重要である、とおっしゃっていました。
使い慣れたシステムや常識だと考えていることをわざわざ新しくしてそれを受け入れることは、日々の生活を変化させたくないという思いに反し、考えや行動にブレーキがかかりがちになるということです。
そういう心の働きを知っておくことで、環境活動に対する意識や行動の変容を促すことができる可能性があるのではないでしょうか。先生はあえて専門用語を使わず、わかりやすく、行動変容への示唆をしてくださいました。

私たちの行動変容が環境づくり、まちづくりを進化させていきます。各自が考え、そして行動の環を広げていきたいものです。

なごや環境大学でもそうした活動を協働してすすめております。どうぞ、今後もさまざまな企画にご参加ください。

最後に皆さまからのアンケートにあった質問にご回答いただきましたので記載いたします。

Q.市民が興味をもつ日常でなんとなくまちづくりを考える、そうなるためには何が必要と考えていらっしゃいますか? 学校教育なのか、エンタメなのか。

A.市民の民主主義の理解。そのためには自分たちの代理人たる人を選ぶ選挙に参加すること。最低でも選挙公示から立候補者の発言に耳を傾け、自分の住むまちをどうするかを自分事として考えること。名古屋市においては投票率約32%。それも平成になり50%を切ってどんどん落ちている。

九里先生、わかりやすい素敵なご講演をありがとうございました!

ご参加してくださった皆さまもありがとうございました!