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【開催報告】なごやをささえる環境学第 3 回「なごやの環境対策のあゆみ」を開催しました‼

  • レポート

2022 年 12 月 7 日(土)になごやをささえる環境学第 3 回「なごやの環境対策のあゆみ」を開催しました。
講師の須網正人氏は、現在「なごや環境大学」のフェローとして参画頂いております。
元名古屋市職員であり、環境行政に長く関わった経験に基づき、「なごやの環境対策を振り返り、持続可能な開発について考える」をテーマにお話しいただきました。

自動車環境対策の体系
須網氏は、自動車環境対策などご自身の関わった取り組みを例に名古屋市が今まで関わってきた環境対策をお話しくださいました。例えば、自治体(市町村)に自由度があるのは、発生源対策の中の ZEV(ゼロエミッション・ビークル)の導入、環境測定、普及啓発などの取り組みだそうです。また、一番重要な発生源対策、規制等は大気汚染防止法や、各法律で定められます。とはいえ、課題である交通対策、交通量の抑制はどうしたらいいのか。道路は国や県の管理になるため市として対策を取りにくいが、名古屋市は自動車推進評議会を設けて国、県を巻き込み関係各所に理解を求めながら進めていったとのことです。
最近の事例として国道 23 号の大気汚染や騒音が深刻な状況だったため、名古屋市は国、県、県警に働きかけて時間帯と大型車種限定の、中央寄りに走行することを義務化しました。他にも様々な仕組みを導入しし環境改善に取り組んできたそうです。

環境対策の手法
その他にも当時の市の環境施策の手法をお話をしていただきました。
例えば、規制的手法という、個人や企業が遵守すべき一定の基準を示してこれに従わない場合は法的規制(罰則等)や社会的制裁(企業名の公表等)を加える手法、経済的手法、誘導的手法、集団回収における古紙の持ち去りに関する条例の話、市公害防止協定・環境保全協定等、そのお話しは細部にまで至りました。
特に私たちの身近なこととして、経済的手法や誘導的手法に共通していたレジ袋の有料化や資源集団回収制度のお話しは、それぞれの対策がしっかりと論理的に体系化された手法の中で位置付けられているのだとわかりました。
市民アンケートの実施名古屋市では行政側が一方的に施策を考えるだけではなく、市民の考えを知り、その策定に活かそうと市民アンケートも実施し、現状に即した対策が実施されるよう努めていることもわかりました。

SDGs モデル事業
名古屋市は、2019 年 7 月、「SDGs 未来都市」に選定されました。その概要についての紹介もしていただきました。
「SDGs 未来都市」では、「誰一人取り残さない」持続可能なまちづくりに向けた取り組みとして「街づくりプロジェクト」を進めるとともに SDGs に関する普及啓発・理解促進を図ることを目的としています。
中区の長者町の繊維街をフィールドに地域の課題を SDGs の視点から、錦二丁目をモデル地区として環境の要素を組み込み、活動を行いました。

例えば、地域の方とワークショップを実施、道路を封鎖してマルシェを開催等・・・環境だけじゃなく、まちづくりにも視点を置き、一人一人が環境に対して意識を持ってもらえればという思いで取り組みを行ったそうです。
環境局の企画なのかと感想を持たれた地域の方も多かったそうです。
現在は緑区の片平学区も SDGs に関する活動を行っています。
いずれもなごや環境大学と協働して事業を行っています。
名古屋市は人づくり・人の環づくりに重点に置いた活動を推進、展開、また、支援しています。

以下にお話しにあった例を紹介します。
環境学習センター
楽しみながら環境を学べる施設を運営しています。
次世代環境学習
「なごやエコキッズ」、「なごやエコスクール」の認定、環境学習プログラムを行っています。
なごや環境大学
なごや環境大学は愛知万博の際に立ち上がり、市民団体、事業者、教育機関、行政等による実行委員会方式でどなたでも一緒に環境の取り組みができる協働の場となっています。


後半は参加者の皆様と須網氏で意見交換を行いました。活発な意見が飛び交い充実した時間となりました。


ご参加くださった皆さま、須網さんありがとうございました!!