PROJECT プロジェクトなどの活動に興味のある方

【開催報告】第5回SDGsオンラインセミナー

  • レポート

9月30日(金)にSDGsオンラインセミナー「消費者とともに歩く企業」を開催いたしました。

第5回では、日本財団 海と日本プロジェクトin愛知県実行委員会の鈴木様、株式会社WCS取締役・プロデューサーの森様をお招きしました。「青い海を残すために、今あなたができることを」と題しまして、深刻な海洋ごみを減らすためには様々なセクターと協働しながら多くの人を巻き込むことが大切!次世代に豊かな海を残すための画期的な取組みについてご講演いただきました。



日本財団 海と日本プロジェクトin愛知県実行委員会の取組み
海と日本プロジェクトとは、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで取組むプロジェクトです。
海離れが顕著になっている昨今ですが、様々なアプローチから海を学び、体験することで、海を身近に感じ大切に思う「海ごころ」を日本の人々に抱いてもらいたいという思いで活動されているのだそうです。

海と日本プロジェクト様では以下の5つのアクションを推奨し、活動されています。
・海を学ぼう!
・海をキレイにしよう!
・海を味わおう!
・海を体験しよう!
・海を表現しよう!
これらのアクションに基づいた様々なプロジェクトをご紹介いただきました。

瀬戸内海での海洋ごみの収支についてお話いただきました。瀬戸内海は日本の陸に囲まれた海。瀬戸内海の海洋ごみについて知ることで、日本の海洋ごみ問題の一角を知ることができます。瀬戸内海の海洋ごみの年間総流入量は4,500tで、そのうち陸からの流入量は3,000tです。陸のごみが川から海へ、こんなにも流れ込んでいるんですね。

海洋ごみを減らす取組みとして紹介されたのが「スポGOMI甲子園」です。全国35道府県の子どもたちが参加し、海洋ごみの拾った量を競います。ごみ拾いで大会をすることで積極的にごみ拾いに参加でき、参加者同士の連帯感も生まれます。「海ごころ」も育てることができます。また、愛知県実行委員会としての取組みは、企業とコラボをして、思い出に残る海ごみ0運動を実施したり、プロキング(ゴミ拾いとジョギングを組み合わせたスポーツ)したりなど、ごみ拾いを体験プログラムに組み込むことで、楽しみながらごみ拾いができるようになっていました。

この他にも学びのプロジェクトや食に関するプロジェクト、様々なプロジェクトをご紹介いただきましたが、各プロジェクトでは、子どもから大人まで引き込む魅力がありました。例えば、灯台のプロジェクトでは灯台を擬人化し、アニメや漫画が好きな人が灯台に興味を持つきっかけになるように工夫されていました。



株式会社WCSの取組み
WCSとは世界コスプレサミットのことで、世界38以上の国と地域が加盟し、毎年夏に名古屋でコスプレ世界一を決める大会がおこなわれます。コスプレと海洋ごみの問題にどのような関わりがあるのでしょうか。
WCS様の活動としては、コスプレで海洋ゴミを拾うイベントやコスプレイヤーによる海洋ごみ削減につながる動画の募集などが紹介されました。
こうした活動をコスプレイヤーが行うことで、注目度があがり、サブカルチャーが好きな人を巻き込んで、みんなで海洋ごみのことを考えようという大きなブームメントを作り出すことができます。

また、コスプレイヤーはアニメや漫画の世界観にのせたメッセージの発信の他、環境問題への意識が高い、社会的貢献意欲が高い、発信力がある、若者や世の中に対して影響力があるなどの特徴があり、コスプレイヤーが海をきれいにすることで、多くの人に海洋ゴミについて関心をよせてもらうことができます。また、世界のコスプレイヤーと繋がっているWCS様だからこそ、世界中の人を巻き込んで海洋ゴミ問題を考えてもらうことができるのだそうです。

コスプレイベントは、人の集まる大きな街中のイベントというような印象を受けますが、地方でのプロジェクトもあるようです。それが「コスプレde海ごみゼロ解放区」です。コスプレイヤーの撮影場所である海や町を解放区と設定し、コスプレイヤーに開放することで撮影場所をきれいにしてもらおうというプロジェクトです。コスプレイヤーがくることでその場所がきれいになる循環を生み出しているとのことです。



今回は、講師の方を2名お招きしてのセミナーでした。どちらのプロジェクトも多くの人を巻き込む工夫がたくさんなされていたと思います。ごみ拾いをただのごみ拾いとしてではなく、楽しみながら、そして意欲的に取組めるごみ拾いが企画されていることが印象的でした。海を身近に感じ、これからもきれいな海を未来に繋げていきたいと感じました。

鈴木様、森様、ご参加いただいた皆様ありがとうございました。
当日見逃した方、またもう一度ご覧になりたい方のために、アーカイブもなごや環境大学YouTubeチャンネルにて公開しております。ぜひ、ご覧ください。



頂いた質問に森様よりご回答いただきました。
Q:コスプレまでいかないけどアニメマンガ好きの方へのアピールとして、本屋・おもちゃ屋・おもちゃや服のリサイクルショップとの提携はできないでしょうか?

A:リサイクルもごみを減らすという観点でとても重要だと思います。
アニメ・マンガが好きな若者向けであれば最近のサービスであるメルカリなどの
ネットサービスと連携するのも良いかもしれません。
コスプレもごみになってしまう物や素材を再利用して衣装を製作する試みなども行っています。