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【開催報告】第4回なごやの水はどこから来るの?-新たな旅の始まり・水源の環境を知る-

  • レポート

8月20日(土)「なごやの水はどこから来るの?」
第4回を開催いたしました。

今回は、「新たな旅の始まり・水源の環境を知る」をテーマに木曽川の上流である長野県木祖村を訪れました。



バスに揺られて約3時間。木祖村に到着しました。
始めに訪れたのは味噌川ダムと味噌川ダム防災資料館(木曽川源流ふれあい館)です。


資料館では味噌川ダムについて、ダムの機能について、飲み水について、防災について学びました。
味噌川ダムの由来は、未曽川からきているそうです。木曽川は昔、『曽川』と呼ばれていました。曽川にならない流れを未曽川と言い、それが味噌川になったとのことです。
味噌川ダムの総貯水容量は6,100万㎥で、これは諏訪湖の容量に匹敵します。ダムでは水を貯めたり、流したりすることで、台風や大雨時、干ばつ時に川の水量を調節し、私たちの生活を守っています。また、味噌川ダムには、名古屋市民が使うことのできる水道水源が確保されています。


日本では、水道の蛇口を開けると清潔でおいしい水を得ることができますが、一方で世界では、22億人(約30%)が安全な水を入手できないそうです。
水は生活に欠かせないものであるけれど、水資源は貴重なものなのだと気づかされました。
講義を聞いた後は資料展示スペースへ移動しました。

まるで水底のようなトンネルを抜け、階段を上ると…

森のような展示室がありました!

鳥の模型や壁に描かれている絵で、森の動物たちが紹介されています。

上空写真から木曽川を辿ってみます。
改めて辿ってみると、とても長い河川の旅ですね。
今までの講座で取り扱った場所も確認しました。


外に出て、実際に味噌川ダムを見学しました。天気が良ければ、山々に囲まれた美しい景色が広がっているそうですが、残念ながら天候に恵まれませんでした。それでも、実際のダムの広さを目の当たりにすると、そのダイナミックさを感じることができました。




午後からは水木沢天然林の散策です。
天候は生憎の雨。天然林を回るグループ(Aグループ)とのんびり散策をするグループ(Bグループ)の二つに分かれて出発です。ガイドの方に森の中を案内していただきました。



天然林の入り口にはウワミズザクラの木に熊棚がありました。熊棚は熊が木の上で食事をした際にできる跡の事です。ウワミズザクラの木から実を食べては枝を折り曲げ、自分の下に敷いていくので棚のようになるそうです。


天然林の中はきれいな沢が流れていました。ヤマトイワナやニッコウイワナが生息しているそうです。
この沢がやがて木曽川に合流し、大きな川になっていくのです。そして私たちの生活に必要な水となります。



天然林はサワラやヒノキ、ネズコ等の針葉樹とブナミズナラの広葉樹に囲まれた混合林です。森林は樹木が大量の水を保ち、水源となるので『自然のダム』と呼ばれています。特にブナは葉で雨を受け止め、幹を伝わせていく構造になっており、『天然のみずがめ』と呼ばれているそうです。



Aコースでは樹齢約550年の大サワラに到着しました。幹の太さからとても大きいことが感じられます。そっと触れてみるとパワーをわけてもらった気がします。


Bコースでは巨大ヒノキに到着しました。一つの幹がいくつかに分かれていますが、その一つ一つがとても大きかったです。長い年月をかけて大きくなった樹木を見ると、その年月を生き抜いた自然の逞しさが感じられました。





天然林を後にして、参加者の皆さまで全4回の講座のまとめをおこない、発表していただきました。全4回の講座を通して、「水の大切を大事にしたい」「きれいな水を私達世代から未来の子供たちへつな
げていかなければいけない」「森林保護」という意見がありました。また、少し遠出でしたが、木祖村で実際に源流のお話を聞いたり天然林を見たりし、「川の事が理解できた」「水が森を通り、川を通り、ダムを通り、浄水場をとおり私達に届けられることが理解できた」という意見もありました。さらに、上水の事を学んだので下水についても知りたいというご意見もありました。





今回で「なごやの水はどこから来るの?」の講座は終了になります。
何気なく普段使用している水は遠くの水源から様々な施設をとおり、多くの人が携わって私たちに届けられているのだと知りました。また、歴史的に見ても、水源を守るために動いてくださった方々のおかげで、安全で綺麗な『名水』を毎日使うことができるのだと学びました。これからも、そして次の世代にも『名水』を安心して使ってもらうために、森林や川を大切にしていきたいです。






この講座もたくさんの方々が携わってくださったおかげで無事全4回を終了することができました。
参加者の皆さま、記事をご覧の皆さま、最後までお付合いありがとうございました!